entee memo

『全共闘の時代』

...などと、書くと、またぞろ何を言い出すのかと思われそうだが、
これは現在銀座のニコンサロンで行われている写真展の名前だ。
この週末にツレと友人二人で観に行った。
「ひとみ わたなべ アーリー ワークス(hitomi watanabe early works)全共闘の季節 1968-1969」。

全共闘の季節ポストカード

ウチに来た案内状で知ったのだが、この写真家・渡邊眸さんはツレの古い知り合いで、以前世話になったらしい人。ツレ曰く、自分の写真についてはこの眸さんから影響を受けたことが多いとか。

ご一緒した友人の《ぴ》さんは「どの風景もどの写真もあまりにも痛ましい」と評してらっしゃる(し、確かにそのようにも見えるのだ)が、私は暢気にも写真自体の美しさに魅入られてしまったり、機動隊や闘士の若者たちの真剣な表情やあどけない表情、そして彼らの姿と供に捉えられた周辺のさまざまな背景(建築物や装飾)などにも釘付けになってしまった。そして眼を奪うのは檄文である。

このような生々しい現場の内側から撮られた写真があったこと自体、驚くべきことだったが、このような重要な記録写真がツレの身近な知り合いが撮っていたことも実に驚きだった。

渡邊眸さんの写真は、グッドマンがかつて荻窪にあったとき、カウンターの内側にあるいくつかの本の間にあった、『猿年紀』という題名の、猿を撮った写真集の題名に惹かれて*マスターに見せてもらったのが最初だ。(どうやらこの写真集が詩人の石内矢巳さんの紹介によってグッドマンによってもたらされたようなのだが、その写真家がツレの知り合いだとはそのとき知る由もなかった。これは事実と言うより憶測を含む。)

その後、蓮の花ばかりを撮った巡回展が《ちめんかのや》で行われたとき、ツレと一緒に観に行ったのが眸さんと会った最初だった。その時の印象が強く、静物的なものを撮る方だと思っていたので、今回公開された古いが生々しい写真の数々は、報道写真のようであり、また動きがありながらも詩情に溢れる表情豊かな作品でもあったので、きわめて大きな印象を得たのだった。

これは10/30(火)までなので、写真に興味がある人も、当時の政治に興味があるひとも、是非足を運ばれることをお薦めします。

渡辺眸 「early works - 全共闘の季節 1968-69」@ Tokyo Art Beat
「ニコンで渡辺眸の全共闘写真展」@ 銀座新聞ニュース



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* 『猿年紀』という題名に惹かれたのは、世界の大きな時代区分(エイオン)で、現在が「鳥の時代」であり、その前が、どうやら「猿の時代」であったらしいことに思いが至ってそれに取り憑かれていた時分にこのタイトルが眼に飛び込んできたので、大いに衝撃を受けた。言わば、まったく個人的なシンクロニシティを体験したのだった。これは西洋占星術でいうところの、言わば「水瓶座の時代」とかいうのに近い、より大きな時間についての話。



posted at 21:19:04 on 2007-10-23 by entee - Category: At an Exhibition TrackBacks

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